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収穫のとき
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  収穫のとき     

 久しぶりの農園便りです。去春から、天候不順で、夏野菜が壊滅的に不作でした。トマトも大風で全滅しましたし、茄子も肥料のせいで病気がでて、ほとんど収穫できず、愕然としました。なんとか、ピーマンやジャガイモで食いつなぎ秋を迎える頃には、秋野菜がまともにでき始め安堵しました。小松菜や野沢菜が育ち始め、大根も元気に伸び、ようやく畑らしくなってつくる意欲ももりもりの秋になりました。

 畑をつくっていると、とても強く感じるのですが、作物の出来不出来はずいぶんと気候・天候に左右されるものだということです。去年のように異常に雨ばかり続くと雨の嫌いなトマトなどはてきめんダメになってしまいます。トマトだけではなく、全般的に植物は日照不足になり、元気はなくなりますが、特に乾燥した土地の原産植物は、雨降りばかりだと病気が一気にでてくるようになります。

 専業農家、いわゆるプロの農家は、巨大なビニールハウスのなかで、トマトでも、キュウリでも育てているので、あまり露地栽培のわが家のようにダメージは大きくはないのでしょうが、それでも日照不足はハウスでもどうにも解決できない問題です。キュウリは雨には弱くはないのですが、風には弱い作物で、葉がひどく風で揺られるとこすれたり、破れて弱ります。わが家では、露地のキュウリは夏の終わりから秋に天候が安定してから、つくって収穫できました。秋に大きな台風がこなかったのが幸いでした。作物作りはつねに天に祈るような仕事なのです。

  この土地を手に入れてから、早5年が経ち、そのとき植えた栗の木に実がつき始め、ようやく自給体勢ができてきました。秋に落ちた栗の実を拾い集め、ゆで栗や栗ご飯で楽しんだり、みんなで皮を剥いて、甘露煮をつくり、びん詰めにして正月きんとん用に保存したりと重宝なものです。そういえば、12月ごろから収穫を迎える金柑も去年までは収量も少なく、生でガリガリ食べるしか味わい方を知らなかったのですが、今シーズンからは、甘露煮というスバラシイ加工法を覚え、ケーキに焼きこんだりもできるはずで、これからの応用範囲を考えると貴重な果物になってしまいました。以前は生金柑だけだと金柑の木が3本もあったら成った実を全部は食べきれず、落ちるにまかせていたのですが、加工法を覚えたら、残さず利用できそうです。

 秋に一番ビックリしたこと。地元の人に訊いたら「それほどたいしたことではない」そうですが、私にしてみれば「こ・・・これはなんじゃ!」と非常に驚いたことがありました。

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 サツマイモが今全国のたんぽぽなどで問題になっている「帯化奇形」をおこしたようになっていたのですが、長く畑をつくっている人は「そういうことはよくあるさ〜」と言っていました。わたしにはその異常すぎる形状に不気味さを感じてカメラにおさめたわけです。通常のサツマイモの茎は写真の右側のような一本に、葉が交互に出てるのですが、異常だったイモの蔓(写真の左側)は本来は一本づつの蔓が6本〜10本まとまって幅8cm程になってへら状になっていたのです。地下の芋に異常は見られませんでしたが、「放射能汚染」か「環境ホルモン」の影響かと、ずいぶん心配したものです。ちなみにサツマイモの収穫はひどく不作でした。

 去年の凶作の原因のひとつは肥料にもあったと考えています。近所の養鶏所直売の発酵鶏糞を使っていたのですが、ほんとうに完全に発酵していたのかどうか疑問だったのです。農家の人が「鶏糞は病気がでやすい」と口をそろえて言います。それじゃ、牛糞がいいかといえば、現代の畜産法で生産された牛糞堆肥では、飼料を考えると牛も鶏もあまり大差はない気がします。今年からは、油粕だけを使っていこうと思いますが、市販の肥料は高いので、できるだけ草を刈り生ごみを活用して、よい堆肥をつくり気長に土そのものを豊かにしたいものです。化学肥料は即効性はあるのですが、病気や害虫がでやすくなるためどうしても農薬とセットで使わなければならず、将来的にも先細りですし、健康上もよくないため使用したくはありません。

 化学肥料のない時代は、人糞も大切な肥料原料だったようで、都会の水洗トイレしか知らない人には想像しにくいかもしれませんが、地方ではまだ汲み取り式のトイレが残っています。水洗トイレは処理に金がかかり、自然界の環に戻すためにはいろいろな工程を踏まなくてはなりません。汲み取り式のトイレはきたない話と嫌われそうではありますが、消臭剤や化学薬品の洗浄剤を使わなければ、とても魅力的な堆肥材料でいつも、自宅の肥料原料を見ては、利用法を真剣に考えてしまいます。う〜ん、もったいないことであります。

 去年の失敗を教訓に、今年は豊作を願ってやみませんが、なにぶんにも野菜作りは気の長い仕事です。油粕は土にすきこんでもすぐには効果はでませんし、堆肥にしても今日草刈をして一週間後に良質な堆肥になるわけでもありません。なんだか西洋医学と東洋医学のちがいみたいです。スローフードやスローライフなどという言葉があるようですが、農業はほんとうにスローライフの原点のような気がしますね。じっくり、ゆっくり、でも着実に。なんだか自分によくあった仕事です。皆さんはどうですか?

 

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